便の状態から分かる病気
下痢は、胃や大腸、小腸といった消化器官に問題がある時に起こります。猫の場合には、急性の下痢よりも慢性の下痢の方が多いようです。小腸に問題がある場合には、下痢状の便の量が多くて水っぽくなり、栄養を吸収しづらくなるためにだんだん痩せていきます。
大腸の場合には、少しの下痢と粘液が出ますが、血液が混ざることもあります。下痢と嘔吐を繰り返している場合は、胃に問題があると考えられます。
便が黒っぽくドロドロとしている場合には、胃がんや胃潰瘍、小腸がんの可能性があります。
また、脂質の吸収不良が起きた場合には、脂肪便が出ます。脂肪便は白くて軟らかい便です。正常な便の臭いとは明らかに違っていて酸性臭があります。小腸や肝臓、胆管、膵臓の機能が低下していると考えられます。
しぶり腹とは、炎症によって直腸が過敏になるため、多少の便でも肛門の周りの筋肉が痙攣し頻繁に便意をもようす状態のことです。実際の便そのものは極少量であるか粘液のみです。この場合、猫はしょっちゅうトイレで排便姿勢をとるようになるので、便秘と勘違いされることもあって分かりづらい症状です。
食事と排便の量の関係や、便の状態などで判断するようにして下さい。下痢を見つけた場合は、猫専用の下痢止めを飲ませてあげましょう。それでも治らずに痩せていくようであれば、放置せずに動物病院での治療を受けましょう。